「…まぁ…時々。
それがどうかしたの?」


私の一言に夏は悲しげな顔をした。


どうしてそんな顔をするの?
何かおかしな事?


「……字祢は普通の高校生だろ?俺達と同じ18才だろ?なのに…事件とか警察とか…意味分からねぇよ…」


頭をガシガシと掻き、夏は私から目を離す。


イマイチ夏の怒っている理由が分からない。


夏は何に対して
苛立ってるの?


「字祢は普通の女の子だ…そんな危ない事に巻き込まれて…おかしいだろ…」


…………??


意味が分からない…
夏は私が危ない事に巻き込まれてるから怒ってるの?


それに…夏は私を普通と言うけれど…


「私は普通の女の子じゃない。普通な女の子は…私みたいにこんな変な力持ってない」


触れたモノの記憶を見て感じる力…


こんな…本来、人が持ちえない力…


「私は普通じゃないんだよ…夏……」


私は嘲笑を浮かべる。


普通なんかじゃない…