「ゴメン!!
俺…字祢にそんな噂があるなんて知らなくて…」
謝られても…
返って惨めになるだけだし…
でも夏は本当に申し訳なさそうに頭を下げる。
本当…馬鹿だなぁ…
もう慣れたから大丈夫なのに…
「謝らないでよ。別に…こんな噂、何とも思わないから。傷付いた時期は通り越した…から…」
頭を下げる夏から目を逸らして窓に目を向ける。
「…時期を通り越したって…そんな分けねぇよ…。傷付く事に慣れる事なんて出来ないだろ…?」
後部座席から聞こえる夏の沈んだ声に心が揺れる。
"慣れるはずなんてない"
それを言われたら私は…
どうやってこれから生きていけばいいの…?
今更…認める分けにはいかないだもの…


