『もしもし』
「すみません憐さん…
電話…したくなって……」
嫌な事があった時、一人で寂しい時…そんな時私は憐さんに電話をかける。
憐さんは私にとって唯一心を許せた人。
『糸雨ちゃんどうしたの?
最近は電話かかって来なかったから心配してた』
「…すみません……
心配…かけて……」
そんな私の言葉に笑う憐さんの声が電話越しに聞こえた。
『糸雨ちゃんが悪いんじゃないだ。俺が勝手に心配しているだけなんだから…泣かないで』
憐さんの言葉に私は目を見開く。
私は慌てて目元を擦った。
なのに涙が止まらない。
「どうして…分かったんですか?私の顔なんて…見えないのに…」
『俺はずっと糸雨ちゃんの事を見てきたんだ。
糸雨ちゃんの事は良く分かってるつもり』
そう言って笑う憐さんにつられて私も笑う。
本当不思議…憐さんには魔法が使えるのかな…?
私を笑顔にする魔法…
