「ぶあはっはっ!!
おもしれぇーっ!!!」


笑いは収まる所かさらにヒートアップしている。


何なのこの人…


「あー…それで名前!」


私の話を一切聞いてなかったのね…この人は…


「…はぁ……
私の名前を聞いたってもう一生会う事も無いんだからこんなやり取り無意味だよ」


そんな私に夏は悲しそうな瞳を向ける。


「そんな事ないと思うぞ…?」


「……………え…?」



その声に先程の明るさは無く、私は耳を疑った。


何故そんな顔をするのだろうか…


何故……?


「全ての事に意味がある。出会いは必然で運命…」


いきなりそう呟いた夏を呆然と見つめる。


そんな私に夏は笑顔を向けた。


「俺の姉貴がよく言ってたんだ。どんな事にも意味があるってな」


姉の話しをする夏は優しい目をしていた。


幸せな人…
こんな優しい瞳が出来るのは彼が幸せだったからだ。