「秀一…」
「亜希に出逢えて良かった。俺は亜希を…愛してる。今まで…ありがとう」
「…秀一!私も秀一の事…ッ」
ピピピピッ
「離れて下さい!」
医者が秀一に急いで
処置をする。
「やだ…ッやだ!秀一!秀一!」
秀一…
イヤだ…
伝えたい事が…
いっぱいあるのに…!
「秀一ッ!秀一ッ!」
頑張るって言ったじゃん!
病気治すって言ったじゃん!
絶対治すって言ったじゃん!
秀一との思い出が、
走馬灯のように、
頭の中を駆け巡る。
秀一と出逢った日の事。
秀一とお祭りに行った事。
秀一とキスした事。
秀一が転校した事。
秀一の背中を擦った事。
秀一の車椅子を押した事。
秀一と一つになった事。
秀一が愛してるって言ってくれた事。
秀一が泣いた事。
秀一が笑った事。
秀一が…
秀一が…ッ

