「今日、こちらへ来たのは、僕の病気の事を伝えに来ました」 え…? 何を言い出すの…? 秀一は少し間を置いてから 話し出した。 お父さんとお母さんも 聞く姿勢でいる。 「僕はここへ転校する前から病気の事…癌の事は知っていました。そこで、亜希と出会って、僕は亜希が好きになりました。でも、病気の事はどうしても打ち上げられず、僕は何も言わずに去る事にしました。何もかもを忘れて…」 秀一はしばらく黙った。