「秀一…帰りましょ」 秀一のお母さんと お父さんが部屋に 入ってきた。 秀一は歩くと負担が かかるから、 車椅子に乗った。 私が車椅子を押す。 「私、秀一の家に泊まらせてもらってるの。勝手にごめんね?」 「いいよ。それに知ってたし」 私達は笑い合った。 私達はただ嬉しくて、 何のための外出許可か 分かってなかった。 秀一のお母さんの目が 赤い事も… 気づかなかった。