「ここの式は~…誰か、分かる人――」 今は、数学の時間。 方程式の問題をやっている。 「先生。白河さんが分かるそうです」 え…!? 恵が私を指名した。 「お~そうか。じゃあ、白河」 「えっ…はい…」 ガタッ ゆっくり立ち上がって、前へ出る。 出たものの、まったく分からない。 「…どした?分からないのか!?」 「………」 「もういい!!相原、答えてみろ」 「はい」 クスクス、クスクス。 教室中が私を見て笑っている。 でも… ……負けない。