収まれ心臓。
私は自分の心臓に
言い聞かせた。
「とにかく、中…入る?」
「うん…」
恐る恐る中に入った。
秀一の病室は
とてもシンプルだった。
本がいくつか並べてあって、テレビとか必要最低限の物しかなかった。
「そう言えば…ずっと聞きたかったんだけど…」
秀一がベッドに座るのを
確認した後、
声をかけた。
「どした…?」
秀一は隣をポンポンと叩いて言った。
私は腰かけて言葉を続けた。
「何で病院にいるの…?」
「……ちょっと腹壊して…だけどすぐに退院するから…な?」
「そうなんだぁ…なら良かった!」
最初の沈黙が気になったけど、秀一がニッコリと笑うから、安心した。

