「桜野秀一。彼には彼女がいた」 美乃里は近くの手すりに寄りかかった。 「美男美女で、とってもお似合いだったそうよ?」 「………」 私は黙りこんだ。 聞きたくないって思った。 「彼女とは幼馴染で、中学の時に付き合った」 秀一と付き合ってた? なに、それ。 耳をふさぎたい。