「百合子ちゃん」 ふいに後ろから名前を呼ばれて肩をポンと叩かれた。 え? 振り返るとそこにはニコニコ笑って私を見下ろす男性…。 ……金子先輩…。 彼は大学の先輩で時々集まって遊んだりする仲間の一人。 「…先輩…、驚いた。どうしてここに?」 「うん、さっき留学する友達を見送ったところなんだ。 何だか空港が騒がしいと思っていたら…。 そうか、旦那さんがいたんだね」 「ええ。アメリカに出張なんです。 さっき出発したんですよ」