――――
「お腹……空いた…」
俺に思うままに抱かれて腰も立たない彼女が、初めに口にした言葉がそれだった。
俺は彼女の髪を撫でる手を止めて、百合子の顔を覗き込んだ。
「…お前…、ムードのない女だなぁ……。
今言うか、普通」
「…だって…、飛行機で食べたきりだもの。
パーティーでは、食べそびれたし…。
……誰かさんのせいで…」
…ピクリ。
「…その、誰かさんって…、俺の事か…?」
「他に誰がいるのよ。
美味しそうなパーティーメニューがズラリだったのに…。
…戻らないと、って言ってたのに…っ」
メニュー