部屋に入って上着を脱いだ彼がゆっくりと私の方を振り返った。 艶やかな視線が私を捕らえる。 「…どうでもいい、本当は」 ……は? 「会社も、澤乃井も………全てが。 ……百合子の事以外…」 ………え…。 「…今すぐに…欲しいのは…、お前だけだ。 ………脱げよ…」 へ?脱げ…? 「早く…。 百合子が………欲しい」 え?え?…や…。 「…俺を、愛しているとさっき言っただろ? 俺の言う事……聞けよ…」