二人を一瞬のうちに引き剥がし、百合子を自分の胸に抱き収める。
「…悠斗!?」
「ワオ!ユート」
二人が驚いて俺を見ている。
「ジョセフ…、どういうつもりだ」
彼を睨み付けながら訊ねる。
「え?どういうって…?
別に、ただ百合子が寂しそうにしていたからダンスに誘っただけだよ?」
ジョセフは俺の剣幕に不思議そうな顔をしている。
…そうだよな。
パートナーを拝借して一曲踊る事くらい、普通に考えれば大した事ではないかも知れない。
…だが、…俺にとっては、そんな簡単な問題じゃない。
他の男が百合子をその腕に抱く事など、……決して許せない。
百合子が俺以外の男に笑顔を見せるだけで、血が逆流しそうな嫉妬に襲われるのだから。

