百合子とジョセフが楽しそうにダンスをしている。 彼の手が背中の開いたドレスを着ている百合子の背に触れている。 時々ステップを間違える百合子の耳元に口を寄せて踊り方を教えているのか何かを囁いている。 百合子もジョセフが何かを囁く度に可愛い笑顔でそれに応えている。 ……何で…。 俺は頭が真っ白になりながらその様子をしばらく眺めていた。 …あいつ…、日本語、話せたのか…。 だが、次の瞬間に俺はダンスステージに向かって走っていた。