カチャ。 俺は寝室の扉をそっと開けて百合子のいる場所へ向かった。 同行者はみな別の場所にいるから、このプライベートスペースには二人しかいない。 彼女は先ほどの座席に丸くうずくまって小さな寝息を立てていた。 「………」 …泣いていたのか。 頬にうっすらと残る筋の跡が見える。 …俺はどうすればいい? どうしたら笑ってくれるんだよ。 きっかけは多分、小さな事だった。だけど何がこんなに掛け違ってきたんだろう。