…俺らしくもない…。

何を言ってるんだ…。

だけど…百合子の魅力の前では…俺はひれ伏す事しか出来ないんだ。


「…何も…してほしくなんて…ないわ。

悠斗はただ、側にいて、こうして抱き締めてくれたら…」

「百合子…」

大切で、愛しくて、切なくなる…。


「…悠斗…、大好き…」


百合子の一言に俺の頭に浮かぶ、小さな少女の顔。

『ゆーとおにいちゃん、だいちゅき!』

…百合子…?


少女のいる記憶の中の世界は……桃色…。

…桜……?