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……最後の一音を弾き終えて彼は静かに楽器を下ろした。
「…素敵…。……ありがとう、悠斗」
私がそう言って微笑むと彼も微笑み返してくれた。
「…その…笑顔が見られるなら…
いつでも弾いてやる」
「…うん」
涙で彼がぼやけて見える。
「俺には……百合子だけだから…。
分かってくれたか?」
「…うん。…ごめんなさい」
……ありがとう。
私と出会ってくれて。
私を愛してくれて。
いつか、私も悠斗からもらったもの全てを返したい。
今はまだ、私には何も無いけれど…いつか、あなたに私を愛して良かった、と思われたい。

