「そ、…そんな、…困るわ。 私、別に欲しがっていた訳じゃ…」 私の言葉に彼はキロリと私を睨んだ。 「欲しがってなかった、だと? …家出までして、喚いたのに…?」 ……うっ…。 そ、それは、香織さんが悠斗の従姉妹だなんて知らなかったから……。 「まあ、…いい。 俺がそうしたかったから。……これでいいか?」 ……偉そうで憎らしいけど……悠斗は、優しい。 私だけがそんな彼を知っている。 世の中の女性に対するちょっとした優越感に浸る…。