しばらくしてから彼が部屋に戻って来た。
「誰だったの?こんな時間に」
「宮間」
「執事さん?何だったの」
「………」
悠斗は私の問いには答えずに向こうを向いてテーブルの上で何かをしている。
「…?悠斗…?」
しばらくしてから彼はゆっくりと振り返った。
手に何かを持ってる…?
金色の………箱?
「ほら」
それを私に差し出す。
「え?何?これ」
出された物を受け取り眺める。
何だろ…?
金色の箱はキラキラと綺麗だが、どうやって開くのか分からない。
そっと持ち上げて側面を見ると、小さな鍵穴がある。
「…悠斗、ここに…」
それを彼に言おうとすると、彼の手がスッと伸びてきた。

