「………」
「………」
黙り込んだ二人に漂う甘い沈黙…。
悠斗の首にそっと腕を巻き付ける。
近付いてくる彼の唇にそっと目を閉じる…。
『ピンポーン』
二人でパチリと目を開く。
もう…!誰よ!
いいところで…。
顔を歪めた私の唇に、チュッ、と不意打ちの軽いキス。
え?
「出てくる。待ってろ。楽しみは後から」
そう言って悠斗がドアに向かって歩き出す。
「……」
呆然と彼の出て行ったドアを眺めて放心する。
深く交わすよりも、もっとドキドキする。
私は自分の唇に指で触れながら一人紅くなって動けなかった。

