「母方の従姉妹だ。
海外にいたため結婚式には出席していない。
バイオリンは…彼女と一緒に始めたから、俺の腕を見せろ、と。
彼女は五年程で辞めたから俺に期待していたんだが、俺もその後辞めたから…少々、怒っている」
「そ…そうなの?」
自分の声が明るい響きに変わったのを自覚する。
私って…、単純だな…。
「部屋に挨拶もそこそこに入ったのは時間がなかったから。
今回香織はビジネスのために来日している。
澤乃井の子会社の専務として。
明日にはアメリカに帰る。
向こうで俺がやり残した事を片付けに来た」
「そ、そうだったの…」

