「百合子」 リビングで彼女を呼ぶ。 ………あれ?いない? ふと見ると、作りかけのボルシチと、テーブルには花とワイングラス。 「………」 広げたままの料理本が窓からの風でパラパラとページがめくれている。 ………拗ねたな。 俺はフーッとため息をつくと応接間に戻った。