だけど…帰ってからまともに百合子と話してないな。
言い合って別れたままだし。ひょっとしたら、まだ拗ねてるかもな。
だけどせっかく二人で過ごせるところを急に帰国したいなんて言い出すから。
早く全てを終わらせて最後の二日は二人でゆっくり過ごすつもりだったのに。何であんなに言い出したら頑固なんだ。
…まあ、そこが百合子の魅力でもあるけれど。
「悪い、香織。ちょっと様子を見てくる」
「うん。…すぐに戻って来てよ?」
「…子供みたいな事を言うな」
「だってぇ。一人じゃ退屈だもの」
「……」
俺は香織の呟きには聞こえないフリをして部屋を出た。

