「水瀬、
好きな人、出来た?」
俺の足が止まる。
だけど振り返った櫻田に、
慌てて「なにが」と答えた。
「やり直せない?」
「・・・は?」
「あの時は、自分の仕事も
まともに出来てなかったから・・・
今なら私・・・」
「悪いけど」
それ以上は聞きたくなかった。
「貴方に恋愛感情を持つ事は
今の俺には、一生無いです。
昔だとか今だとか
もう終わった事に耳は傾けません。」
何故だか、
無性に苛立ちが隠せなかった。
櫻田に対してではなく、
きっと、自分自身に。
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