「水瀬って、

何で設計行かないの」


「え?」


「貴方の実力ならもっと

上を狙えるでしょ、なのに何で」



俺はその質問の答えより、

櫻田が珍しくよく喋る事の方が

気になっていた。




「別に・・・

俺は今の部署で充分満足してるし

そう考えたことも無いな」




俺がそう言って窓を見ると、

櫻田は後ろで溜め息をついてた。





だって本当に、そう思う。




俺は今以上を求めていない。



「もっと有意義に過ごせば良いのに

思考が勿体無いわ」


「・・・ああ」