そそくさと席を立って、
ファミレスに急ぐ。
遅れたら煩そうだ、あの女は。
8時ジャスト。
ファミレスの前に水色の背中が見える。
後ろからペシっと頭をはたくと、
「いだ」と可愛げのない声がした。
「なんで叩くの、
普通に登場出来ないの」
「普通ってなんだよ?」
俺が言ってやると、
キユはぐっと口唇を噛んでから
俺を通り過ぎて歩き出した。
「今日カレーうどんだから」
「またカレーかよ」
小走りでキユの隣まで追いつくと
キユは俺を見て
「いっぱい残ってるんだもん」
と言った。
カレーは嫌いじゃ無いけど。

