「なに、これ」 「ピーマンたっぷり 特製チンジャオロース」 ピーマンをぱくぱく食いながら そう言った俺に 「むかつく」とキユが一言。 少し赤みがかかった頬っぺたに、 濡れたオレンジの髪の毛。 「見た目も餓鬼だが ピーマンが嫌いだとは、 ますます餓鬼だな」 取っておきの嫌味だ。 「うーざーい」 「おー負け惜しみか」 ムッと下唇を噛むキユを見てると 可笑しくて笑えてくる。