この一年の中で、 俺にどれだけのことがあった? "何でもやるから家置いて" 突然やって来た女に、 どれだけ振り回されただろう。 「行くか」 「うん」 あの時の俺は、 こうしてキユと二人、 手を繋いで歩くなんて考えてなかった。 「シュン」 俺の名前を呼ぶ声が、 「・・・やっぱ何でもない」 こんなに愛おしく感じるなんて、 これっぽっちも思って無かった。