「おい・・・」

「来るなあっ」



ぶんっと振られた小さな腕が

危うく顔に当たりそうで避けた。




「れいた・・・悪い」



少し距離を置いて、

俺も地面に腰を下ろした。




「シュンなんてキライだ」



「・・・ごめん」



「れいたにはパパがいないの。


わるいひとだったって、

パパはわるいひとだって。」



体育座りをしながら、

唇を噛んで話すれいたの目には

うっすら涙が浮かんでいた。



「・・・誰が言ったの?」


「・・・おばさん」



「・・・・」