「シュン、そろそろ
歯ブラシ新しくするー?」
俺の歯ブラシを突き出して
そう聞いてきたキユに
「んー、そうだな」と答えた。
「あたしも新しいの買う」
「そっちがメインだろ」
「バレた?」
へへっと笑ったキユを横目に
鏡と向き合ってネクタイを締める。
「シュンそれ好きだね~」
「この色しか無いんだよ
じゃ、俺もう行って来るから」
キユのいってらっしゃいを
背中で聞きながら、
俺は鞄を掴んで家を出た。
「・・・あ」
ハッとして閉じた扉を開ける。
「ん、忘れ物?」
「いや、今日バイト8時まで?」
「うん?」
「じゃあ、夜飯行こう」
「え?」と驚いた顔をしたキユに
後でメールする、と伝えて再び家を出た。

