「この間、聞けなかったんですけど」


「はい・・・?」



親父さんが咳払いをする。










「貴方は、キユの恋人ですか?」






「え・・・」




思わず逸らしたくなる程

真っ直ぐな眼差しに、戸惑う。



何も、答える事が出来なかった。






「あの子が・・・

あんなに生きてるの、見た事なくて」



親父さんの目に、涙が浮かぶ。



俺はそれを黙って見ていた。