「シュン」


「・・・・ん」





「シュンの家族って、どんなだった」






「え?」


振り返ろうとした俺を、

キユが「そのまま」と向き直させる。





「親父が居て、お袋が居て、

・・・あと4個下の妹も居るな」



「家族構成じゃなくてさ」



背中でクスッと笑う声がした。




「よく分かんね」


「じゃあシュンはどんな子だった?」




3階、4階と上がっていく

数字を見ながら「うーん」と考える。





「親が勝手に調子乗って、

俺の成績とか賞とかを

人に自慢するのが嫌な子だった」




「・・・何それ?」




ポーン、と音がなって扉が開く。