「すまないね」



親父さんがそう言って玄関へ行く。





「今日は帰ります」

「あの・・・」




「これ、あの子に渡して下さい」



渡されたメモには、

電話番号らしきものが書かれていた。





「会ってきちんと話がしたい、

もう・・・長くないから・・・

いや、では失礼します」


「え・・・!」



俺はただ立ち尽くすしか無かった。



最後に言ったその言葉が

どれだけ重いのかを知ってたから。