時空をこえて、愛。

それと同時に強いめまいのようなものを感じて、倒れた。







「ねえ、もう時間だよ」

懐かしい空気を感じて、目が覚めた。

「大丈夫?魘されてた」

ぼやっとする視界。
目をこすって瞬きをする。

「祐次?」

「…美佐子?」

「何?そんなに驚いた顔して。早く起きないと大学、間に合わなくなるわよ」

ふわっとした独特の喋り方と声、空気。
美佐子だった。

何が起こったか分からない。
それよりも、これは現実なのか。

「また松井君にからかわれちゃう。ボーっとしてないでよ」

そう言いながら美佐子は手際良く食卓にパンと目玉焼きを置いた。
僕もやっと起き上がって、席に着いた。

「いただきます」

「…いただきます」

美佐子の作ったご飯は懐かしくて、優しい味がした。