時空をこえて、愛。

気付けばもう4時だった。
美佐子の来る時間。

きょろきょろしていると、向こうの方から美佐子が小走りだやって来た。

「ごめんね、待たせて」

「全然!」

松井たちがじゃあなと言って見送ってくれた。

門を出て、僕の家の方に曲がる。
少し歩いたところで、救急車の音が聞こえてきた。
事故が起きたのは、午後4時13分。
今は丁度20分。
救急車が通り過ぎた。
ピーポーの音が耳に残った。
隣を見れば美佐子がいる。

「よかった」

安堵の声を漏らしてしまった。

「ありがとう」

美佐子が呟いた。

「え?」

「ありがとう。私ね、分かってたんだよ。漠然とだけど祐次が、私を守ってくれていたこと」

立ち止まって、美佐子の目を見る。

「本当にありがとう。プロポーズ、勿論お受けする!私も愛してるよ、祐次」


その場で優しくキスした。