「ちょ、おまえ直接言わなくていいのかよ」
電話を当ててる耳と反対側の耳から聞こえる三波の声。
それに答えようと一度耳から携帯を離す。携帯からはまだ呼び出し音がなっている。
「電話のほうが言いやすい。直接言ったら、きっと朱音を泣かせちゃうから」
もう一度携帯を耳にやると、ちょうど朱音が電話にでるところだった。
『太一?どーしたの?』
いつもと変わらない朱音の声。
それに少し決心が揺らぎそうになった。
「いや、なんでもない…。
あ、なんでもなくないか。」
自分でもなにを言っているのかわからないくらいに俺は変に緊張していた。
三波に目をやると、三波はずずっと残った抹茶オレを飲み干すところだった。
「朱音、悪いけど俺達…別れよう…」
『…え?』
突拍子もない俺の言葉に朱音は電話のむこうで戸惑っているのがわかる。
三波は黙って俺を見て、がんばれと口を動かした。
「朱音と付き合ってて楽しかった、けど…ごめんな。もう一度友達に戻りたい」
『太一…?ごめんね、ごめんね。
太一が前の彼女のこと好きだって分かってたのに…ごめんね』
悪いのは俺なのに、謝る朱音にものすごく申し訳なく思った。
「朱音、ありがとう。じゃあまた」
プツと電話を切る。
朱音にはバレバレだったんだ。

