「どこの国の者かわからぬ者を妻にするなんて…」
「いいじゃないですかあなた。あなただって私をさらっていったんですから人の事を言えないんじゃないですの?」
「それはそうだが…」
「お願いしますお父上。」
「あの、私抜きで話進めないで貰えますか?」
千歳が口を挟むと王子が近付いてきて囁いた。
「どうせ元の世界に帰れないし、この世界で頼りになるようなところもないんだから話合わせてここに住んだほうが楽だろ?だから黙って俺の話に合わせとけ。」
「…わかりました。」
そんなこんなで千歳は王子の城に住むことになった。