「ふぅ、半分ぐらいは片付いたかな…。それにしても何百冊あるのかしら…。」
そんなことを呟きながら千歳は伸びをした。
「ふあぁぁ…眠うわっ!」
不安定な脚立の上で伸びをしたのでバランスを崩し転倒した。
本棚が揺れ積んであった本が崩れて降ってくる。
その時、千歳の周りが光で包まれた。
「いたたたた…これから脚立に乗るときは気をつけないと駄目ね…それにしても騒がし「お前さっきから人の上に落ちてきといてなんなんだよ?早くどけ。下敷きになってる人の身にもなれよ。」
「は?」
「は?じゃねぇよお前なにもない所から降ってきて魔術師の見習いか何かか?」
「すみませんとりあえずここどこですか?」
「絵本の中に決まってるだろう。」
「絵本の中ってことはあなたは服装的に王子様ですか?」
「あぁそうだよ。でお前何者?」
「えっと、本の整理をしてたら脚立から落ちて、本が降ってきて、気がついたらここにいました。」
「へぇ、面白いし顔も悪くない。連れて帰るか。」
王子は千歳を軽々と抱き上げると馬を走らせました。
「ちょっと降ろしてください!」
「暴れると落ちて怪我するぞ?」
しばらくすると大きな城が見えてきました。
大きな門が開くとずらっと兵士が整列していてその先に王様と王女様が待っていました。
「ただいま帰りましたお父上、お母上。」
「お帰りなさい。あらその方はどなた?さらわれたお姫様を助けに行くのではなかったのですか?」
「婚礼の準備もしてあるのだぞ。姫を連れてこないでどうするのだ。」
「お父上、お母上、私はこの方を妻にしようと思います。」