私は昔からいつも一人で本が友達だった。
親は私が生まれてすぐに離婚して物心がついた頃には母と私だけだった。
どこへ行っても周りの人とは馴染めず学校では一人で本を読んでいる事が多く、しだいにいじめっ子の標的になった。
元から友達なんていなかったのだから助けてくれる人なんかいなかった。
むしろ自分がいじめられるのが怖いからか皆いじめる側や傍観者ばかりになっていった。
「ねぇ、ちょっと中野さんそこどいてくれる?中野さんが本読んでるせいで私達がトランプ出来ないんだけど?」
「そうよ本読むくらいどこでだってできるでしょう?なんならゴミ捨て場で読んでればぁ?あんたみたいなゴミ人間はゴミと一緒に燃やされちゃえばいいのよ。キャハハハハッ!」
何が私達がトランプ出来ないんだけどだ。
図書室は静かに本を読む所であって騒ぐところじゃない。
あの人達がこんなに頭が悪いとは思っていなかった。
卒業するまでずっとこんな日々が続くのだと思っていたが思ってもみない出来事がおきた。
母が死んだのだ。
母は体が弱く毎日薬を飲んでいて家事も母のかわりに私がやっていた。
いきなりの事だったのでパニックになってしまい一人ではなにも出来なく話を聞いて飛んできた祖母に迷惑をかけてしまった。
すぐに葬儀が行われ私は祖母に引き取られる事になった。