喧嘩をしないようにと遥が真ん中を歩いていたにも関わらず、暫くすると再び下らない言い合いが始まる。
「だからー!なんでチカがお兄ちゃんの手を握るんだよ!」
「別にいーじゃん。この格好だったら違和感ないし」
「そういう問題じゃないだろー!」
「ふふんっ」
そう鼻で笑ったかと思うと、弓親が遥の指を絡め始めた。
「あーー!」
恋人繋ぎになってしまった兄と弓親。
陽は負けじと遥の腕に絡み付いた。
端から見れば二人の美女に奪い合いにされる羨ましいシチュエーション。
しかし弟と幼なじみ(男)に絡み付かれ、遥が喜ぶわけがない。
慣れたから何も言わないものの、ぶっちゃけ泣きたい。