皇帝は紅茶を注文して、また時計を見た。
やはり誰かと待ち合わせのようだ。
(にしても…学園外でも皇帝って感じ)
カップを持ってきたウェイターの動作が心なしか恭しい。
それから、10分経っても20分経っても相手は来ない。
(………飽きた)
雲雀は欠伸をしながら皇帝へ視線を投げる。
当の皇帝は変わらず、時計に目をやりながら外をチラチラと見ていた。
(それにこっちも……)
視線を陽に移すと、何故か真剣に皇帝を見ている。
見ているというか凝視。食い入るように皇帝へと熱い視線を送っていた。
(はあ……)
雲雀の重たい溜め息も致し方あるまい。
何が嬉しくて隣に女がいない唯の皇帝を見ていなければならないのだ。
(いつまで待たせる気よ)
勝手に後を付けておきながら随分な言い草だ。


