「そうね、確かに酷だよね。」

千尋さんは、微笑む。

「でも、あの日からすれ違うと、『隆哉!』だったね…。マジ恐かったって…。」

自分は、口を尖らせた。

「ゴメンゴメン、今謝るから…。これで良し!」

千尋さんは、笑いながらも、これで許さないと…というオーラを漂わせていた。

敵わないな、この母娘には…。

大沢さんを起こさないように、そっと空を見上げてみた。