夏草の香りが漂う丘〜風が運んだ過去(トキ)〜[ナツコイ企画]

大公園の向かい側に、矢口の通う、明海(めいかい)小学校はあった。

とある日の昼休み、数人の男子児童が、中林を囲んでいた。

「中林はさ、生意気なんだよ!」

「そうだ、すぐに謝ったじゃんか!」

男子児童の言葉に、

「だから、私は怒っていないよ…。」

と、中林は、反論していた。

「うるさい!ちょっとぶつかっただけで、上から目線で見やがって…。そんなに偉いのかよ!」

「違う…、そんな目で見ていない…。」