夏草の香りが漂う丘〜風が運んだ過去(トキ)〜[ナツコイ企画]

「矢口さん、ガローによく来るんですか?」

答えに困っている自分に違う質問をしてきた。

「ん、たまにな。大沢さんと一緒で、2階の本屋には行くよ。」

彼女が持つブックショップ“イマジキ”の袋を見ながら言った。

「ふ〜ん、そうなんだ…。」

彼女も自分の袋を見た。

「ところで…。」

自分が切り出した。

彼女は、無言でこちらを見上げる。