そして入学式が終わり

自教室に向かう。

あたしの頭の中にはまだ

「星也」がいた。

「君一年生だよね?」

あたしの前に立ちはだかる

背の高い男の子。

「ちょっと邪魔なんですけど」

あたしは今星也のことしか

頭になかった。

「俺と付き合わない?」

…はぃ?

「何言ってるんですか!!」

麻佳が入ってきた。

「お前に言ってない」

「先輩だか知りませんけ…ど…」

麻佳の声を遮るかのように

何故か星也があたしの前へ。

「あんた入学式早々彼女探しか」

「原渓 星也じゃねーか。」

「だったら何だよ」

「野球で有名らしいがどんだけ実力があるか試すから覚悟しろ」

そう言って消えてった。

野球で有名?

もしかして西中の原渓 星也?!
何で気づかなかったの?

「あのー…」

あたしは勇気を振り絞って

話かける。

「何?」

冷たいょ〜

「西中の原渓 星也くん?」

「そーだけど?」

「あのっ!あたし大好きなんです」
「はあ?」

「だからっ握手して下さい」

あたしは必死に言った。

「ふっ」

星也が笑ってる?!

「いーよ。はい。」

そう言ってあたしに差し出す手。
嘘…

これは夢?

いや、現実だ。

「ありがとうございます」

あたしは気づいたら泣いてた。

実はあたしは野球好きで

原渓くんが大好きだったから。

「華奈〜何泣いてんの?」

麻佳が横から入ってくる。

「だって〜あたしが原渓くん好きなの知ってて何で教えてくれなかったの」

「だからさっき言ったじゃん」

「そんなんじゃ気づかない。」

「ごめんごめん」