『え?あ、はい…たまたまこのお店を見つけて…』

『―――「たまたま」…ですか。では、あなたは何かに悩んでらっしゃる…そうですね?』

『…どうして、分かるんですか?』

『このお店は悩んでいる人にしか見つけられないんですよ』

『…そんな、マンガみたいなお店あるわけ―――』

『あるんです。それが、このお店ですから。ところで、あなたが悩んでいるのは恋愛に関することですね??』

『そんなことまで分かるんだぁ…じゃあ、これは夢ってことにしとこうかな』

『まぁ、それでも構いませんが……そのうち、現実と夢が判断できなくなりますよ……』

『ぇ?』

『いえ、何でもありません』

『とりあえず、中へどうぞ。お茶を淹れますので』

『はい…』

されるがまま、中へと入ってしまった。