「榊君は、いる?」
「いや、いないです。」
というか、今は時間も時間なんで人1人いない。
「売店って何が売ってるの?」
「パンとかお菓子とか…」
安藤君はパンコーナーに近づいて、ジロジロとパンを見る。
安藤君は何かを見つけ出すと、パアッと顔が明るくなった。
「すいませーん!
焼きそばパン1つ下さい。」
「この焼きそばパン1つ。」
「「えっ」」
「あっ!」
安藤君が焼きそばパンを掴んだのと同時に、もう一つの手が焼きそばパンを掴んだ。
その手の主は…榊初日。
僕は安藤君に言うタイミングを逃した。
「俺の方が早かったぜ…?」
「いや。僕の方が早かったね。」
「いや、俺の方が…
あ゛ーもう、その手どけろよ。」
「君こそその手どけてよ。」
焼きそばパン1つで売店前は醜い争いが繰り広げられていた。

