勇者がいた33日間(お休み)




「黒田君って、真面目君?」

「えっ、まあ…」



安藤君はこの異様な雰囲気に気づいてないのか。

僕との会話を続ける。



「その眼鏡って……」

「安藤だっけ?」



 逃げ遅れた…


気づくと周りは、沢君、松木君+その子分たちに囲まれていた。

だいたいクラスの半分が、今ここいる状態。


僕は巻き込まれないように、黙ってずっと下を見る。



 何事もありませんように。
 何事もありませんように。


僕は心の中で、念仏のように唱え続けた。



「“りょう”って呼んでよ。
今までそう呼ばれてたし。」



と言って、安藤君は沢君に手を差しのべる。



「よろしくな゛っ!!」



沢君は、安藤君の手を握った瞬間、物凄く力を込めたと思う。

みるみる赤くなる顔がそう語ってる。