勇者がいた33日間(お休み)




「はい、60゚!」

「一之瀬もっと曲げろ。」

「いてててて…いてっ!
って言ってんだろー!!!」




谷川君は一之瀬君の背中を強く押した。

60゚というより90゚以上に曲がった一之瀬君は、勢いよく起き上がった。

谷川君の顔は怒ってるというよりも、楽しんだ顔をしている。


確信犯ですね……。




「つーか、お前も練習しろよ。」

「何の?」

「だから、お辞儀とかの練習をだよ!」




一之瀬君のイライラが募ってくるのがよくわかる。




「俺、調理担当だから
別にお辞儀とか関係ねぇし。

接客とかにまわってもいいけど
俺以外に料理できるやつ、

いんの?」




一之瀬君は唇を噛み、何も言い返せない。

何も言い返せない代わりに、動物みたいにうなる松木君。

と、冷静に-280℃の視線でにらむ谷川君。


谷川君の勝ちだった。